Rieの私小説  「サヨナラ、俊くん」  その1

 

Rieの私小説 

「サヨナラ、俊くん」

 その1

 

赤い顔をしながら

泥酔してる中年男性が

私の肩を抱く。

お酒臭い息を

私に吹きかけながら……

逃げたいっ!

困った^^;

大ピンチ!!


誰か

私を助けて!

そう思いながらも

抵抗できずに

諦めてると

 

「あのー

 彼女嫌がってるんで
 辞めてもらえませんか?」

 

目の前に
スラッとして

爽やかな男性が

登場。

そして、

酔っ払いの手を掴んで

引き離してくれた。

 

 

「なんだよー。お前。
 カッコつけちゃって。

 酔いが覚めたわ」

そんな捨て台詞を

言いながら
酔っ払いはサッサと

去ってくれた。

助かった・・・

本当に良かった・・・

ホッと一息

ついていると

彼が笑顔で

近づいてくる。

「大丈夫でしたか?
 少し、遠くで見かけて

 驚いて慌てて

 止めに入ったのですが」

「ありがとうございます。

 パーティーで
 トラブルがあったことが

 上にバレると

 厄介なんで」

「いやいや、

 仕事って言ってもさ
 酔っ払いに絡まれるの

 危ないでしょ。

 無理しないでよ」

「ありがとうございます。

 気をつけますね。

 ぜひ、お礼をさせて

 いただきたいのですが」

そんな会話をした最後に、

彼は名刺を渡してくれた。

 

裏に、LINEの

ドレスを手書きで

入れてくれた。

ドキドキしながら

彼の名刺を

他のコンパニオンに

見られないよう、

名刺を大事にしまう。

そこからは、

気持ちを切り替えて

 

何事もなかったように

笑顔でコンパニオンの

仕事を全うした。

 

 

パーティーが終わり
帰りの電車の中
彼にLINEを送る。

「今日は本当に

 ありがとうございました。
 大変助かりました」

直ぐに既読、
そして彼からの返信

「りえさんって

 言うんだね。
 LINEの
 アイコンの写真、
 めっちゃ素敵ですね。
 
 ねえ、今度、
 飯行きましょうよ。
 
 来週なら、
 東京行くんで」

うわー
意外と積極的だなー
 
めちゃくちゃ
ストレートな誘いをするなー
 
ドキドキしちゃう
自然と胸が高鳴っていく
誘いに素直に
乗りたい!
 
だけど・・・
 
軽い女って
思われた
どうしよう

身持ちの
堅い女性として
振る舞いたいから、
1回は断る方
いいのかな

散々迷った結果

助けてもらった

お礼をする!

そう自分に言い聞かせる。

素直になろう!
彼との食事行こう!
「ありがとうございます。
 お食事しながら
 色々と
 お話しさせてください」

お互いに
スタンプを
送りあったり
 
ラブラブな余韻を
残しながら
LINEのやり取りは
終わって行った。
 
幸せな時間は
ほんのわずか
 
あっという間に
この彼に
私は、とっても
振り回されるの。

出会った頃は
彼のことを
カッコいい
ヒーローだと
信じ切って
二人で会う日
無邪気に
ワクワク
いっぱいだったな。

この時の私は
パーティーコンパニオンの

バイトをしながら、
占い師で独立して居て。

会社をリストラ
されたばかりで
精神的にも収入的にも
安定しない日々だったから
 
依存体質
メンヘラ女性
だった

 

 

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