小説
彼を沼らせたいな・・・
私の部屋で抱き合い、
甘い時間を過ごした後のまどろみの時間。
彼の腕枕に顔を埋めてる。
「ごめん。明日も朝早いから。
本当は泊まりたいんだけど、
私は、淋しさを隠して、
「仕事、頑張ってるよね。
応援してるぞ」
聞き分けの良い彼女としてのセリフを言う。
本音は、ずっと彼と
一緒にいたいのにね。
彼を見送った後、どっと寂しさが押し寄せる。
そんな夜はビールを片手に、
「彼氏 忙しい
振り向かせるには」
で検索して、あちこちのブログを読み漁る。
「
料理上手と、床上手です」
どんどん自分に自信がなくなる。
床上手、料理上手かあ……
料理は、自信がある。一時は料理教室に通っていたし、
ホント美味いよ。
もう、
唐揚げ頼めなくなったよ」
そう言って、
唐揚げを食べてくれる。
じゃあ、
と考え始めると、
どうしたら彼が
私に夢中になってくれるんだろう。
ネットサーフィンが止まらなくなる。
恋愛占い師さんの
ブログにたどり着いていた。
男性への気遣い、優しさ、
読み進めるうちに、
私は彼に対して
甘え過ぎていたのかも
しれないと気づき始めた。
初々しさに
欠けていたのかもしれない。
仕事が忙しい彼を癒したい。
でも、
私との時間を大切にしてほしい。
彼への愛情を表現したい….
そんな気持ちが溢れていく。
彼へのキスを、いつもよりも丁寧にした。
耳、首筋、頬、まぶた、
愛しい気持ちを込めて、
彼の顔中、
丁寧なんだけど、
少し焦らしたりも。
ギュッと私を抱きしめてくれた。
その反応が愛おしくて、
まどろみの時間。
彼が私の頭を撫でながら、
私は心から嬉しくなった。
もっと彼に愛を注ぎたい。
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