5次元恋愛小説 「時空を超えた恋物語」 最終話

 

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「時空を超えた恋物語」 最終話

 

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「時空を超えた恋物語」 最終話

 

そんな日々を過ごした

3週間後のある晴れた日の午後、

待ちに待っていた彼発信のLINEが届いた。

彼のLINEの着信音は、

鈴の音のように美しい響きだったな。

「レイコ、ずーっと連絡しないでごめん。

 あれからさ、一人の時間を作って、

 いっぱい考えた。

 そう…..すごくいっぱい

 考えたんだ。

 それでさ、今後の週末、

 東京出張があるんだ。

 予定どうかな?」

「シンジ、もちろんだよ。

 私も会いたいよ」

「レイコ、サンキュー。

 大学のキャンパスがあった

 神楽坂で会おうよ。

 よくゼミのレポート締め切り前に

 研究室で徹夜したじゃん。

 その徹夜明けに行った

 駅前のカフェに行かない?」

「いいねー。行きたい!!」

待ち合わせ日、そのカフェに行くと、

シンジが笑顔で迎えてくれる。

 

なんだか……..たった3週間ぶりなのに

随分と会ってなかったような気分になるの

 

思い出のカフェだから

二人で大学の時の話で盛り上がる。

謝らなくちゃって

思いながらも照れてしまって、

ちゃんと謝ることができないの。

 

彼が優しいので許してくれるのかな…..

と甘えてしまうの。

「そうだレイコ。

 この後、神社いこうよ。

 レイコの気分が穏やかに

 なるように、

 俺がお祓いしてやるよ」

彼がそう言いながら、私の頭をクシャッとする。

「もうー。

 あの時はごめんね」

「いいよ。俺も、良かれと思って

 アドバイスしすぎたところあったしね。

 神社でリセットしようぜー」

彼が明るく言ってくれるから、

心から安心するの。

だから私、彼に笑顔を見せることができたの。

カフェを出た後、二人で思い出の坂道を

ゆっくりと歩いていく。

坂を下りながら

二人の手の距離が近くなっていき、

自然な流れで手を繋ぐ。

坂道の先には川があって、

この季節は川沿いの桜が満開。

 

咲き誇る桜の花びらが

ハラハラと散っていく姿を眺めてると、

学生時代の思い出…….研究室の仲間で

お花見した時のことを思い出していくの。

「シンジ、桜が綺麗だね。

ねえ、研究室メンバーでお花見したの覚えてる?」

「だなー。お花見楽しかったな。

バカみたいに飲んで、ハシャイデさ。

 

あの時の俺、人生設計深く考えてなくて

能天気だったな。

レイコはさ、卒業後のことや

色んなことをちゃんと考えてて。

 

すっごい大人だなって思ってたよ。

ウチら真逆だったな。

俺は深く悩みもしないで、

バイト、サークル、ゼミ、飲み….

そんな風に過ごしてたな。うん、若き良き思い出だなー」

「確かにそんな感じだったね。

 私ね、学生時代の自分って、

 堅物でイヤな女だったなって思ってる。

 シンジの楽観的なところ、

 もっと吸収したかったな」

「まあまあ……そんなレイコのこと、

 俺は一目置いてたぞ」

彼はそう言いながら、

私の肩を軽く揉んでくれる。

 

 

そんな風にフォローしてくれる

彼の懐の深さに包まれながら、

思い出話が盛り上がるの。

それから、ゆっくりと

手をつなぎながら神社まで歩いた。
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神社で二人並んで参拝した後、

境内の中のベンチで並んでゆっくりしてると、

花嫁さんの姿を見かける。和装で美しいな。

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幸せそうでいいな。

だから私、じっと見とれてしまうの。

はっと気づくと

彼にじっと見つめられていた。

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恥ずかしい….…でも嬉しい。

その気持ちが伝わるように、

彼の瞳を見つめるの。

すると彼が優しく話しかけてくれる。
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「レイコは、絶対、和装だな。

 うん。レイコ、結婚しよう。

 もう、秘密の関係をリセットしよう。

 ちゃんと夫婦になろう」

 

彼の真剣な表情から、

軽い言葉では無いと気づくの。

「え……シンジ……..」

彼が満面の笑顔を見せながら、

四角い箱を私に出してくれたの。

開けてみると指輪が入ってた。

彼が私の右手薬指にはめてくれるの。

私、泣きながら彼に抱きついたの。

 

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