8月  うお座満月

8月 

うお座満月

 

 

過去に寄り添ってね

センシティブで

ナイーブで

デリケートな

私を受け入れてね

 

 

ショート・ストーリー

 

『あの頃のふたりに

 戻れる・・・

 うお座満月』

 

19時を過ぎると、

社内はほとんど人が

いなくなる。

 

本当は帰っても

いいのだけど・・・

月末ってこともあって

溜まった書類を

片付けるため

 

遅くまで残ることに

決めてたの。

 

黙々と仕事を

していると

 

「あれー?残業?

 お疲れー」

 

ほとんど外回りで

滅多に社内にいない

憧れの営業課長から

声かけられるの。

 

「はい。この書類の

 整理をしなくてはと

 思ってて・・・」

「そんなの、

 若い連中に

 任せちゃえばいいのに。

 ま、それが出来なくて、

 仕事、抱え込んじゃうのが

 良いところでも

 あるんだけどね」

 

「ありがとうございます。

 要領悪いですよね・・・」

 

「そんなことはないよ。

 俺だって、仕事。

 抱え込むしさ。

 要領だって悪い。

 

 よし、書類の整理、

 一緒にしよう。

 二人で頑張れば、

 早く終わるよ。

 

 でさ、早く終わって、

 飲みに行こう!」

 

そう言いながら・・・

 

彼は、ネクタイを緩めて

腕まくりをするの。

 

うーん、

大人男性な

色気を感じちゃう。

 

 

 

 

 

うお座満月は・・・

 

癒しの満月

救済の満月

 

満月の魔法が

 

不安症で

遠慮がちな私を

そっと助けて

くれたのかもね。

満月のお導きが

憧れの営業課長を

連れてきて

くれたのかも。

 

もうっ私っ

満月に甘えてしまおう

満月の魔法にあやかろう。

 

満月に癒されて

満月に救われて

社内でふたりっきりを

思う存分楽しもう。

 

そして・・・

仕事終わりの

飲み会もね

 

 

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