ダブルな恋愛小説
「風になる」最終話
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大浴場の温泉に別れて入る。
その時に、アロマ・
この香りは、魔法の香り。
なれますように。
結婚してるけれど、
いつかは、お互いに
今の家族から卒業して、
正式な夫婦に
なれますように。
シュシュっとしてるの。
部屋に戻り、浴衣姿で
彼にお酌しながら
食事をいただく。
なったような気分になれるのが
最高に幸せ。
「ミナミ、俺さ、ミナミと出会ってから
すっごい幸せなんだよね。
仕事もイマイチで。
出世しないでしょ。
お金使ってるから
生活費あんまり入れてないんだ
奥さん、いっつも怒ってるよ。
まあいいやって感じかな、
気にしてないから。
それでさ、
細かいことしてくれるようになって、
メンバーが増えて有名になって来てさ。
もう、
主将になるのが夢なんだ。
ありがとう、ミナミ。
思うんだ」
気づくと私は
ワンワン泣いていた。
必要としてくれない、
居場所がない。
サークル内で楽しく過ごせ
本当に幸せ。
もう私は
ダイキの側でしか
生きていけない。
感謝の気持ちで
いっぱいだ。
「ミナミ、こっちおいで」
そう言われて彼の隣にそっと座った。
深く深くキスをしてくれた。
たっぷりと感じられるようなキス。
彼がいなくて孤独だったあの頃に
戻るなんて考えられない。
世間から非難されても、
この関係を失うなんて考えられない。
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