ダブルな恋愛小説 「風になる」第四話

ダブルな恋愛小説

「風になる」第四話

 

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下見旅行の前日になると、

ダイキから長いLINEがくる。

 

ツーリングルートの

タイムスケジュール。

 

どこで休憩するっていうのも

しっかりと盛り込んである。

有名なサービスエリアで

適度なタイミングで休憩を入れる

そのセンスは抜群なんだけど、

私の要望は全く聞いてくれない。

やれやれって思うけれど

ダイキだったら仕方ないかなと

受け入れている。

 

下見当日、ツーリングには

もってこいの晴天。

二人でバイクを走らせて

風と一つになっていく。

彼が先頭を走り私が後からついていく。

私に気遣いしながらの

セーフティドライブがありがたい。

 

途中予定通りの

サービスエリアへと立ち寄った。

 

「ここのサービスエリアは、

 このコーヒーが有名なんだよな」

彼はそう言いながら、

お目当のカフェに入って、

コーヒーを買って来てくれた。

 

「ミナミ、コーヒー飲みながら

 目線こっちちょうだい」

サークル内限定のグループページに

下見の様子を掲載するための写真。

 

私の写真が入ると反応がいいからって

私の写真をたくさん撮ってくれる。

好きなことには

ものすごいセンスとマメさを

発揮できる少年の心いっぱいの

ダイキのことは好き。

 

だけど、興味がないことは

私に任せっきりなところは

わがままで苦手。

夕方までツーリングを楽しんだ後、

箱根の温泉宿に到着する。

 

事前に話をさせていただいた担当者が

出て来てくれて、駐車場内にバイクの保管場所を確保してくれる。

 

どこの宿も団体の下見であると伝えると

とても丁寧に対応してくれる。

メンバーから宿との交渉が上手なのは

私の話す声やテンポがいいんじゃないかって

言ってくれるけれど、自覚や自信はない。

 

ただサークル内では

いつもベタ誉めしてくれるので

本当にありがたい気持ちでいっぱいになる。

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