小説  ラブストーリーは桜の季節に 第三話

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小説 

ラブストーリーは桜の季節に

第三話

 

翌朝、携帯を見ると

彼からLINEが来ていた。

「ずっと連絡できなくてごめん。
ネット環境が急にダウンして。
それでさ、今週の日曜日成田着

16時45分の便で帰ります」

「シュン、連絡ありがとう。

 成田まで迎えに行くね。迎えに行きたいから」

「ミズホ、サンキュー。

 俺も早く会いたいから」

当日、成田空港で彼を待つ。久々の再会。
ドキドキが止まらないけれど、クールな私も見せたい。
カッコつけたいけれど甘えたいという、

相反する気持ちを抱えながら彼を待つ。

ようやく彼の姿が見えた。そっと手を振ると彼も気づいてくれた。
そして、まっすぐ私のところにやって来た。

「待たせてごめん」

そう言いながら、いきなり私を抱きしめてくれた。
驚いたけれど、私も同じように抱きしめてもらいたい気持ちだったので、
彼に身体を預けて彼の温もりをたっぷりと味わう。

「ジャーン、お土産」
そう言いながら、私の手首にレースのアクセサリーをはめてくれた

「これは?」

「トルコでお世話になった家族がいて、

そこのおばあさんが作ってくれたんだ。

俺がミズホと桜の写真を見せたら、

この女性は恋人なの?って聞いて来て。


俺がそうだよって答えたら、

次の日からアクセサリーを作り始めたんだ。

そして、出来上がったアクセサリーを俺にくれたんだ。

愛しい女性にあげなさいって。

このアクセサリーは完璧な愛を育む魔法入りよって、
茶目っ気たっぷりで渡してくれたよ」

「私、恋人なの?」

「告白がまだだったね。

ミズホ、俺の恋人になってください」

私は大きくうなづいた。

すると彼が私にキスをして来た。

彼は日本に留まらない生活をしている。
これからも、今回のように突然連絡が途絶えることもあるだろうし
頻繁に会えないかもしれない。けれども私は彼について行く。

一生彼を愛して行く。

彼から贈られたアクセサリーを眺めながら
私のハートがゆっくりと決意していく。

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